たにぐう@帯広です。今回の番外編は、
2年前の1997年秋、帯広でわたくしが
体験したできごとのお話です。ちゅいーん!!

それは今から2年前、1997年秋のできごとでした。
たにぐうとくぼっちは、帯広の、とあるライダーハウスに泊まっておりました。

その日は台風が来ていて、10名以上が連泊しておったさうな。
たいくつなので、昼間はくぼっちぱじぇろにライダーも乗せて温泉へ。

夕方、ばんめしは豚丼でも食いに行くか!と、
みなで相談していた時でございます。扉がするすると開いて、
おばちゃんが顔を出しました。
「あのー、ばんごはんたくさん作っちゃったんだけど、
みなさん食べにきませんか?」

な、な、なんと親切な!!貧乏旅人は食い物に弱い。
2つ返事でおじゃますることになりました。
「じゃあ6時になったら来てください」

す、すばらしい。北海道って親切な人いるんやな〜、
と一同感動であります。

この時のおばちゃんの話では、確か親戚かなんかが来れなくなって、
用意したごはんが余った、というような話だったと記憶しております。
で、家が食堂か何かなのだと一同思っておりました。

さて、6時になり10名ほどがぞろぞろとおばちゃんの家に向かいました。
そこは、ライダーハウスのすぐ近くの、普通の民家でありました。
「おじゃましま〜す」玄関で靴を脱ぎ、ぞろぞろとあがっていきます。
この時、玄関のげた箱の上に、なぜかほてい様が鎮座しているのに
気が付いたのは、くぼっちと最年長のライダーさんだけでした。
でもまあ玄関にほてい様がいるぐらいでは、別段何かあるわけでもないでしょう。

居間に通されると、そこにはすでに10名以上分のお皿や箸が
すでに並べられていました。まさに、我々のために、という感じです。
「すげ〜」、一同感動です。しかーし、ふと奥の部屋を見ると・・・。

まずろうそくに灯がともった、怪しげな祭壇が目につきます。
およよ、何だありゃ。まあ、この家の人が信仰しているものだろう、
ということで気にしないことにします。祭の横にはこれまた怪しげな
掛け軸が掛かっていて、仏様かなんかの絵がかいてあります。
まあ、これもいいでしょう。

しかし、です。その横になぜか黒板があります。民家に普通黒板なんてあるかあ?
たにぐう始め何人かはそれに気が付き、疑問に思いました。
う〜ん。まあいいや。見なかったことにしとこう。
そんなことよりメシであります。

さて、席につくと料理がどんどんでてきます。先ほどのおばちゃんの他に、
よーしゃべるおばちゃんがもう1人と、娘さん?とおぼしき
高校生ぐらいの女性(みゆきちゃん、と呼ばれていた)が1人います。
たにぐうは、近所のおばちゃんが手伝いにきてるんかあ、と
思っていました。しかーし、くぼっちと最年長ライダーさんは、
またあることに気が付きました。それは、
3人が同じ青い制服らしきものを着ていることでした。

しかししかし、そんなことよりまずはメシ。みんなおおいに食いまくります。
ここのおうちは、菜食主義ということで、肉や魚は料理に一切
使っていないそうです。たしかにうまい。

そんな話の中で、よーしゃべるおばちゃんが、ふとこう言いました。
「みんな肉や魚なんか食べるから、戦争とか起こるんだよね〜」
はあ?肉食と戦争がどー関係するねん。その瞬間、祭壇、黒板、ほてい様などが
一つにつながりました。げげっ。みんなあせってます。おばちゃんは続けます。

「ごはん食べたら、少しの間いい話をするから、聞いて行ってね。
ちょっと頭下げてもらうけど、ほんといい話だから」

おいおいおいおいまじかよ〜。

これって"宗教"じゃね〜かよ〜。しかし、メシを食ってしまった後である。
みんな、「おいおい、どーする?」と目で話しています。
めし食ったことだし、いざとなれば男10人いるから何とかなるだろう、
ということで、このお話、もとい、お祈りに付き合うことにしました。

まずたんざくのような紙に、住所と名前を書かされます。
「名前だけでもいいわよ」、と言うので、僕は名前だけにしておきました。
続いて、全員が祭壇のあるお部屋に整列です。そしてお祈りが始まりました。
おばちゃんは、何やら呪文のようなお経のようなことを唱えては一礼、
を繰り返します。おばちゃんが一礼する時、
どこからか、「ちゅいーん」、という音が聞こえます。

「機械みたいな音やなあ、どこで鳴らしてるんやろ」、と思ったたにぐうですが、
しばらくして気が付きました。その音はみゆきちゃんの口から
発せられていたのです。めっちゃおかしいのですが、
笑いをこらえるのがたいへんです。

「いっこー、にこー、さんこー、ちゅいーん」。お祈りは続きます。
そして祭壇で、さっき名前を書いた紙を燃やし、僕らも頭を下げます。
ちゅいーん。なーんだ、名前書いたけど燃やしたじゃん、
と半分くらいの連中は思いましたが、くぼっちは燃やす前にコピーを
取っていたのを見逃しません。

さて、ようやくお祈りが終わり、こんどはみゆきちゃんによる講義の時間です。
黒板の出番なわけです。ここでお祈りの意味やら、
みんなが今入信した(正確には、させられた)この宗教の教義やらを、
懇切丁寧な語り口で解説してくれます。

要約すると、ぶったもきりすともまほめっとも全部ダメ、
救われるにはこの教えを信じることだ、ということです。
でも教義は、老舗の宗教のいいとこどりみたいな感じです。
まあ、ありがちなことだな。で、最後に救われる手の組み方を
教えてもらったけど、もう忘れちままいました。これで講義はおしまいです。
所要1時間半。長かった。

さてさて、お祈りも無事?終わり、再び居間に移ってコーヒーブレイク。
おばちゃんが機関銃のようにしゃべりつづけ、付け入る隙を与えません。

おばちゃんが言います。「いやー、いい話だったでしょ。
前来た人達なんか、12時ぐらいまで話していったのよ」

それは話しを切れずに帰れなかっただけとちゃうんか?
こーゆー時に役立つくぼっちが、ばっさりと話を切ってようやく帰れる。
「また来たらいつでも寄ってね」。パンフとお札を手に、僕らは玄関を出ました。

戸が閉まった瞬間、みないっせいに口を開きます。
「おいおい、何やねん今のは〜」

とりあえず生きて出てこれたので一安心。みんな異常なハイテンションで、
お祈りの話題を炸裂させつつ、ライダーハウスに戻ります。
戻っても話はちゅいーんに集中。紙に住所まで書いた奴は、
「ほてい様が着払いで送りつけれてきたらどないしょ〜」、
と心配しています。

紙をコピーしていたことや、ちゅいーんの音源のことなどで、
異常な盛り上がり。部屋に置いてある旅人ノートを見た奴が叫びます。
「このノートにお祈りのこと載ってるやんけ〜!!」
見ると、まあ、書いてある書いてある。
ノートの半分は「宗教おばさん」、「お祈りタ〜イム」のレポートです。
それによると、どうも雨の日に出現するらしい。
また、必死に引き留めるおばさんを振り払って逃げてきた奴もいるようです。
早速みんなで書き込みます。
たにぐうは、「ちゅいーんみゆきより愛を込めて」、と書いておきました。

しかしまあ、ちょっとお祈りに付き合うだけで、
飯が食えたんだからまあいいか、おもろい話のタネができたし、
ということで、まるくおさまりました。ちゃんちゃん。

その後、ほてい様が送りつけられてくることは無かったそうな。
おしまい。

Webmaster (kubocchi)wrote:

お初でコメントします。くぼっちです。

・・良いんです。飯さえ食えればお祈りでもなんでもします。
めにゅうはご飯、味噌汁、ポテトサラダ、ごま豆腐、
ミートボールみたいなもの(どうやら小麦粉から作ったグルテンというものらしい。)
だったです。これが結構おいしかったんですね。

みゆきちゃん曰く、
”お祈りで眉間のからエネルギーを開放したので、
皆さんは神様と通信できる人達になりました”

ふふーん。なるほど。僕らみたいなのと
通信してくれる神様ってどんな神様なんだろう?

貧乏神って言うのはなしね。


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