たにぐうです。やっと帰ってきた。

6/14 (水)

 岐阜県恵那市→長野県山口村 雨/晴 38km

雨の中7時出。昨日のヤブ漕ぎの反動か、
舗装路のなんとちょろいなことか。雨の中だが快調に恵那の市街へ。

昼前、市街を抜け国道19号に出る。この旅で最初に歩いた国道だ。
学生時代には松本と三重の往復に使ってきた、
なじみの道でもある。そして、標識には「松本121km」の文字が・・・。
うおおぉぉぉーーー、ついについに射程距離だあぁぁぁーー。

勝手知ったる道を爆走。行く手には恵那山。
クリアーに青い空とおおらかで高い山は信州のものだ。
16時、落合のコインランドリーで洗濯。
木曽谷の長い回廊へと入っていく。

歩道のない国道を進むと、見覚えのある「長野県」「山口村」の標識。
「わーーーー、ながのけんだああああーーー!!」と
ひたすら叫びまくり、標識を激写。

暗くなった国道は、トラックが爆走していてこわい。
19時半道の駅しずも。谷に入ったせいかちと冷える。


6/15 (木) 

山口村→上松町 晴 32km

快晴気持ちよくやる気満タンで7時半出。
南木曽の手前、後ろからチャリダー現る。
このおじさん、神戸で出稼ぎが終わり、自転車で
あちこち見物しながら夕張まで帰るという。

10時半南木曽駅。ここは中山道三留野(みどの)宿。
宿場町としては隣の妻籠や馬籠が、昔の町並みバリバリな
観光地で有名だが、ここにはそんな派手さはない。
宿場町に地元民が普通に生活している。
この、生活感があるのよい。のんびり、ぶらぶら。

三留野でのんびりし過ぎた。午後は爆走。
19時半、狙い通りに上松町の下河原運動場へ。
木曽はよく知ってる所なので寝床探しは困らない。
運動場では消防団がナイター訓練中。芝生広場の方へ行こうとすると、
ネット裏のスタンドに朝会ったチャリダーおじさん有り。

缶詰などいただき、メシ食いながら歓談。おじさんは
ちょくちょく自転車旅しているらしく、
そのうちサハラ砂漠に行きたいと言う。
感じは頼りないけどいろいろやってそうやな。

21時、消防団はお帰り。
「電気消すけどいいかい?」「がんばれよ〜」などと声をかけてくれる。
5年前に研究室の方言調査で木曽に来た時、
木曽の人たちはえらく親切だった。
それは今も変わってないようで、うれしいことだ。
ナイターとともにこちらも消灯。


6/16 (金) 

上松町→楢川村 晴 33km

日が照るまでは寒いくらい。空気が冷たいのは
信州に近付いてる証拠か。先行するおじさんを見送り7時半出。

上松駅でビン牛乳の上松牛乳ゲット。
メールチェックしてると無線着信有り、がりや参上。
出かけたついでに見にきたらしい。一時歓談後、10時半出。

木曽福島、国道はイヤなので旧道へ。
Aコープにてバイキング式の弁当売っており、
俺のハートをがっちりキャッチ。おかず満載し915円也。投資した。
駅前のテーブル付きベンチにてさっそ喰らふ。まんぞくまんぷく。

福島宿も普段着の宿場だ。商店街などは普通の建物が
多いが、所々にまがりくねった道や昔の家並み残る。
山から引いてきた水場が、
町中あちこちにあるのが木曽の宿場らしくてよい。

町を抜け国道のコンビニで一服。出ようとすると
後ろから呼ぶ声が。なんと、信大の山田先生だ。
ベンチに戻り再び一服。先生はちょうど名古屋へ帰る途中で、
「メール読んで、もしかしたら歩いとるかも」と
思っていたそうだ。

「とうとう一周してきたか。あとは仕事だけやな」
ほんま、一周するより社会復帰する方が大変なのです。
来週木曜に研究室で酒盛りすることにし、出発。

交通量多い国道を避けなるべく旧道へ。
日義村は木曽義仲の里。でも見るものはすでに見てるので、先へ。
国道は17時ごろからトラック増える。
川辺から毎日30km以上なのでかなり疲れてきた。
18時すぎ、ようやく藪原。

暮れゆく山道を、鳥居峠へと登る。
熊が出るので、道中には「鳴らして通行してください」と
鐘が設置されている。林間のつづら折れを40分ほどで峠。
ここは木曽路の分水嶺。いよいよ松本の領域だ。

と、峠にきれいな木造山小屋有り。
鍵開いてるし、湧水ドバドバ、水道もトイレもある。
もう19時過ぎ。しめしめ。中は板敷き。水もうまい。
荷物を広げ、メシ食い各務原でもらったウイスキーでめーてー。


6/17 (土) 

楢川村→塩尻市 曇り/雨 25km+車4km

天気は下り坂なのでとっとと出発。
奈良井への下りはゆるやかで長い山道。街道の空気。
奈良井宿は朝早いせいか静か。観光地なので町並みはきれいだ。

平沢辺りから雨降りだす。道の駅ならかわへ逃げ込み
雨宿り。土砂降りだ。1時間ほどねばるが弱まりそうにないので
カッパを着て11時半出。

三重実家にて、梅雨用にでかいこうもり傘を装備したので、
防水度はかなり高い。が、続く土砂降りに靴から浸水(哀)
バス停の小屋や駅のたびに休んで呆ける。ぬれた靴下は一度
脱ぐと履きたくないんだが、んなこと言ってられん。
体力消耗激しい。

洗馬からは旧善光寺街道へ。畑の中の道。
晴れてりゃ北アルプスが出迎えてくれるはずだが、
雨で何も見えん(哀)。郷原宿は町並みに特徴。

普通の宿場は間口の狭い家が密集しているが、
ここは庄屋みたいなでかい家がゆったりした間隔で並んでいる。
通り側にも庭がある。なかなか新鮮。

と、後ろから車がやってきて停まる。
1週間ぶりのすずきといおき氏(ともに大学院のワルい仲間)現る。
そのまますずきのアパートまで連行され、温泉へ。

「去年明科で見送った時には北向いて行ったのが、今日は南から現れた」と
感心するいおき氏。「一周」の重みを感じるひと言だ。

すずき家に戻り、料理人すずき自作のつまみと日本酒でめーてー全開。


6/18 (日) 

塩尻市→松本市 晴 12km

11時、すずきのアパートを出発。国道に出ると
すぐに「松本市」の標識。ついに帰ってきた。
帰ってきて喜べるのは人力の旅の特権だ。すずきに頼んで標識激写。

国道北上。松本の街だ。雲が飛び山々現る。
うーん、これぞ岳都松本。「岳都」の表現がハマるのは松本だけだ。

同時に不思議な感触あり。ここはほんまに松本なのか?
何かヨソの町な気もするぞ。街中突入。
駅前通りを行くも、何か変な感じ。

13時、松本城。スタート地点に戻ってきた。
どうやら一周してきたらしい。

出発時はみんなに好き勝手にしてもらったのでえらい騒ぎだったが、今日は静かだ。
俺はやっぱり静かな方がええ。
しかし、だ。目の前にあるのは確かに松本城なのだが、
何だか他の城のような気がする。俺はほんまに帰ってきたのか??
浦島太郎だ。しばらくたたずむ。

13時半、城近くのバイトしていた寿司屋を訪ね、
帰還と加世田のやすけ鮨(鹿児島1)に行ってきたことを報告。
大将にすしをごちそうになり、2時間ほど酒盛り(爆)ごちそうさまです。

15時半、ようやく出発。松本帰還ポイントは、
里山辺の昔住んでいたアパート。現住人のよしむら夫妻を始め、
ABNの中村さん、ちーぼーとその仲間たちが集まり
祝杯をあげる!しかし話題は彼女ができた事に集中(爆)し、
感慨に浸る暇もなし。ほとんどその話題のみ(爆)で、夜まで酒盛り。

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