たにぐうです。本編ようやく最終章です。
長いこと読んでいただきありがとうございました。

 

6/19 (月) 

松本市 晴 停滞

at がりや宅。気が付くと昼をとおに回っている。
さすがに疲れが出たようだ。二度寝、三度寝して
起きしだしたのが夕方。休養日だわな。

日本一周っていうのも、帰ってきてみると意外と重みがある。
僕の中での旅の終わりは松本ではないのだが、
「帰ってきた」という事実は重い。帰ってきた、という
感覚が持てるのが、一周のええとこかもしれん。

しかし、1日たっても未だ松本にいる気がしない。
自分の住み処が松本に無いからだろうか。
7年間住み込んで真剣に遊びまくった松本と、
今旅人としてやってきた松本は、違う顔をしている。
この旅で、僕は第2の故郷の松本を卒業したのかもしれん。

 

6/20 (火) 

松本市→明科町 晴 16km

これまでにも何度か言ってるが、
僕は「日本一周」よりも「旅」にこだわってきた。
松本でゴールなら、見た目にもきりがいい、「きれいな」
日本一周である。松本へ帰ってきて、一周して帰ってきたことに
重みを感じてはいるが、このこだわりは変わらない。

それに、ここまで自炊と野宿にこだわってきたからには、
徒ほほな旅は野宿でなければ終われない。

ひとまずの終点として、善光寺とか乗鞍岳山頂とか、
いろいろ考えたが遠いのはめんどうになってきた(笑)
でもここだけは行っておきたいってのが、徒ほほな旅の
1泊目の地、明科町犀川橋の下。

13時、信大を出発。国道143号を北上。学生時代うろうろしてた
所を徒ほほで行くのはやはり変な気分だ。県道にスイッチし、
田沢で国道19号に出る、ここまで2時間。
1年前にはなかったローソンで一休み。

16時、初日に入った明科温泉長峰荘に寄る。ここまで
3時間。初日は4時間半かかって必死にたどりついたのに、
今じゃ鼻歌まじりの楽勝だ。歩けるようになったんやなあ。
露天風呂へ直行。ここは学生時代何度も通った所。
北アルプスと安曇野を見渡す露天風呂が、ここのよさ。
昔と同じくただただぼーと過ごす。

17時半温泉出。30分ほどで犀川橋にやってきた。
見上げれば北アルプス。正面には三角形の常念岳。夕暮れが
赤紫から青紫に変わっていく。見慣れた景色のはずだが、
なんか新鮮だ。写真を撮り、橋の下へ降りる。

地元おじさんが犬の毛を刈っている。橋の下は昨年に
比べて泥がたまっていた。おじさんと歓談。
「今日は雨降らないから、向こうの河原でキャンプしたらいいよ。
水もあるし、こんなとこよりずっときれいだから」。
それもそやな、せっかくやし最後は快適な野宿とするか。

教えられた河原は、冬には白鳥飛来地になる所。井戸が
掘ってあるので水も困らん。テント張ってがさごそしてると、
バードウォッチングのおじさんがやってきた。松本の人で自然大好き、
たにぐうとも意見が合い、しばらく歓談。インスタントコーヒーいただく。ごち。

さあ、メシだ。最後の晩餐は定番梅干しふりかけごはんに、
具無しのインスタントみそ汁。全く徒ほほらしい晩餐だ。
まったりして最後の夜は更ける。

 

6/21 (水) 

明科町→松本市 曇り 15km

スロースタートで片付け、メシ炊き。
行動の順序は脊髄にプログラミングされている。

荷物をまとめ再び犀川橋の下へ。しばしたたずむ。
この旅の基点はここにある。

国道に出て歩道橋に登ってみる。
足元には南北に伸びる国道19号。

1年2ヶ月前、僕はこの道を北上していった。
それから1年2ヶ月後、僕は南からやってきて、ここにいる。
一周した、という事実をようやく認識し、しばし立ち尽くす。

徒ほほな道は1つの輪になった。
日本一周はここで終わりだ。

そして、本当の「徒ほほな旅」はここから始まる。

 

 

 


to be continued(爆)(本気)

 

 


徒ほほな日本一周データ

所要日数:431日(1999/4/18〜2000/6/21)

歩行距離:6785km

出会った人:いっぱい 

通過都道府県:37都道府県

通過市町村:たくさん

温泉:122湯

歩行国道:148/459本

<ここまで>

 

一番上へ