たにぐうです。ショートカット熊本で塩屋と化す。

4/18 (火) 

長崎県長崎市→熊本県苓北町 晴 4km+車1km+船

8時のフェリーで一路天草へ。景色はかすんでいまいち。
がりやからメールが入っており、HPの読者のチャリダーが
俺を探しに長崎入りしているらしい。をを??
おもろい事やりますねえ。見付けられるかな??
雲仙の方に行こうとしてるけど、それははずれだぞぉ。ヒントのメールを出す。

9時すぎ富岡港入港。待合所でパンフをあさり、
WCで洗濯し、おじさんと歓談。暑いぐらいだ。
夕方までだいぶ時間あるので、海岸へ。雲仙がよく見える。
潮だまりのヤドカリにちょっかい出し、東屋で昼寝。

14時、風出てきたので温泉へ行き、まったり。
風呂からあがると温泉の職員の人が来て、
「自転車乗った女の人が探しにきてますよ」。
ぬわにいぃぃ!!もう見付かったのかあ??

ザックを背負って外に出ると、「あ〜、み〜つけた〜!」
チャリダー村上さんに捕獲される。
一読者の迎撃を受けるのはこの旅初。
村上さんは何年か前に北海道を歩いて一周したそうで、
途中から二輪のカートを引いて歩いていたという。
道中人にえらく親切にされ、お見合いまでさせられたらしい。

んー?どっかで聞いた話だなあ、と思ったらやっぱりそうで、
BE-PALに投稿していたのを、読んだことあったのだった。

徒ほほなネタをばらまきつつ歓談。今回は簡単に
見付かってしまったので、次回はもっと難しいヒントから
スタートしましょう>村上さん。
もちろん挑戦者募集します。

19時、村上さんと別れ、1日遅れで町民の会事務所へ
哲ちゃんを訪ねる。ここはがりや母の紹介。
哲ちゃんは齢五十近くの、味のある男だ。すぐに仲間の
たけもとさんがやってきて、ビールでかんぱ〜い。
刺身はハゲ(カワハギ)とブリが山盛りだ。ハゲはハゲ肝を
わさび代わりに醤油につけて食す。う〜ん、美味美味。
哲ちゃんの仲間次々やってきて、飲みながら町民の会
主催の講演会の話し合い。2時ごろまで飲み続け、
頭く〜らく〜ら。ごちそうさま。


4/19 (水)

 苓北町→天草町 雨/曇り 10km+車18km

哲ちゃんが天草町の塩屋さんを紹介してくれたので、
今日はそこを目指そう。その塩屋さんの塩を使って
にぎりめしをこしらえるが、この塩うますぎ。塩がうまいって初めてだ。

雨激しいので哲ちゃんに途中まで送ってもらう。
天草西海岸は断崖の海岸で景色よし。天草町に入り、
仲間で陶芸家の江浦さんの所におじゃまする。作業場見学。
陶器は土、磁器は石から作るのね。江浦さんは古文書の
研究もされており、江戸時代の庄屋の日記なる書物をいただく。12時出。

大江への峠道、コイン精米所で雨宿り。精米に来ていた
おじさんが米を3kgほどくれる。雨弱まった隙に大江へ。
丘の上に建つ大江天主堂を訪ねる。白くしっかりした建物。
中に入りしばしたたずむ。

お遍路浸けのせいで、教会は不思議な感じがする。
しかし、田舎に教会が普通にあるってのは、さすが西九州だな。

丘を下り塩屋さんへ。ご主人松本さんは本渡へ囲碁しに
行って(これ伏線)留守で、働き中の恵みさんよしえさんと
お茶タイムからそのままばんめし。

20時松本さん帰宅。今現場で小屋作りやっていて人手が
欲しいとのこと。せっかくなので3日ばかしバイトしていくことにする。
で、囲碁教室開催(笑)。いきなり19 19で素人考えで挑戦。
やはり難しいけどおもろいぞ。


4/20 (木)

 天草町 晴/曇り アルバイト

大江の港から岬1つ隔てた浜にある現場へ。
東シナ海が青い。900km向こうは上海。海水から塩を作るには、
川や人家のない浜じゃないとだめらしく、
あちこち探した結果ここに落ち着いたという。

塩作りは釜焚きと天日干しのダブル。海水をポンプで汲み上げ、
黒いネットを張った櫓の上から何度も流して
濃縮(太陽熱で水分をとばす)させる。
濃縮した海水を釜で3日焚いて結晶させるのだ。
天日は同じ海水をビニールハウスで結晶させる。

現場は松本さんとやひこさんの2人でやっている。
やひこさんは僕と同じ歳で松本市出身。松本市在住は
ちょうど入れ代わりなのだがローカルな話題が咲く。

僕の仕事は薪となる廃材切り。薪はすべて廃材で、
集められた廃材が山と積まれている。チェーンソーの使い方を
教わり格闘開始。釘がいっぱい刺さっているので、
それを切らんよう注意せんといかん。

昼休みをはさんでどんどんぶったぎる。切れ味が落ちてきたら
チェーンソーの刃を研ぐのだがコツがよーわからん。
1日で廃材ひと山片付けるのが精一杯。ふう。

17時、今日は塩を焚きあげる日なのだが、2人とも寄り合いが
あるため、焚きあげは俺がやることに!!どきどきどき。

まずはやひこさんが「天地返し」なる作業をする。
塩は昼ごろから結晶し始めているのだが、結晶した時間によって
質が違うので、塩を混ぜて均質にするのだ。
その後は1人で焚きあがるのを待つこと1時間。

19時半焚き上がった。伝授された通り、まずは
塩を釜のポケットに集め、スコップで樽へ移す。
次にニガリを同じ樽へ。釜が空になった所で余熱で
温めていた海水を入れ、作業終了。にわか塩職人(^^;。
ふう、うまくいったかな。ばんめし食ってバタンキュー。


4/21 (金) 

天草町 曇り/晴 アルバイト

天気悪そうなので、午前中は事務所で仕事することに。
現場から持ってきた塩を布袋に入れて脱水機にかけ脱水。
それを別の箱にあけて細かいゴミをピンセットで取るのだ。
それを恵さんとよしえさんが向こうで計量&袋詰めするという流れ。
もくもく単純作業。

午後、天気は回復なので現場へ。1人2tトラックを運転し、
民家へ廃材を回収しにいく。廃材は杉の枝。
重量無いわりにかさばり2往復。昨日ひと山片付けた場所に
今度は杉枝の山。こりゃ廃材ちっとも片付かんな。

なんでも昨年の台風の時大量に運び込まれたそうで、
ここにあるだけで1年分はあるそうな。

15時、チェーンソー開始。雨上がりから青空に。
ふと見上げると小屋の向こうの山の緑、じつにみずみずしい。
空の青これまたみずみずしい。小屋の煙突からうすい煙が昇り、
手前は廃材の山。うーん、一幅の絵のごとし。今季初新緑。
昨年の山形肘折温泉以来だなあ。

18時仕事終わり、ばんめしはお好み焼き。
4枚たいらげビールも飲んでごちそうさま。


4/22 (土)

 天草町 晴/曇り アルバイト

午前中は昨日回収してきた杉の枝を片付ける。
火のつきがいいから、先に燃やしてしまうのだ。
放火されたらよー燃えるシロモノだし。釜の火の番しながら
ちまちまと運ぶうちに昼。

午後、チェーンソーを手に2山目に突入。
太くて長い柱ばかりなので、ちっともはかどらない。
松の柱なんざ堅くてちっとも切れないし、
チェーンソーの歯はすぐに切れ味落ちて研がなきゃいけないし。格闘。

17時終了し、松本さん恵さんやひこさんと4人で温泉へ。
食堂にてお別れ会で生ビールぷは〜。
刺身定食の刺身はブリとタイ。おかず充実でごはんおかわり放題は
お得。家に戻り茶のんでまったり〜。


4/23 (日)

 天草町→鹿児島県長島町 晴 18km+車18km+船

がさごそ荷造り。作った記念に塩をいただく。
天日は粗く、釜焚きは細かい塩だ。おにぎりとバイト代いただき、
河浦へ行く松本さんの車で出発。ちょっと寄り道で崎津へ。

羊角湾に面したいい雰囲気の漁村。その中にある
天主堂は灰色で古めかしい立派なもの。
日曜なのでこざっぱりした格好の地元民多数。
国道から見ると漁村の家のかたまりから天主堂が突き出ている。
いい絵だ。大江が山の教会、崎津が海の教会、と言われているのも納得。

河浦で松本さんと別れ徒ほほ。国道266号の交差点、
信号待ちのレガシィの窓が開き、アメリカ人らしき兄さんが
手招きする。お?と、兄さんは「ドウゾ」とバナナ差し出す。
「Oh〜! thank you〜!」、握手握手。
兄さん続けて、「Are you walking long distance?」、
「Yes,・・・around Japan ,one yaer!」、
「Oh〜,my god!」。
信号が青になってしまった。「See you!」と言い残し彼は
走り去った。ふと我に帰るたにぐう。
わ〜い、まともに英会話できたぞぉ〜!(爆)。
ちなみに外国行ったことは一度もなし。自己陶酔(爆爆)。

山の中を道は進み牛深へ。
昨日今日と牛深ハイヤ祭り開催中。ハイヤ節は江戸時代の酒盛り唄で、
ここから全国に伝わり、阿波踊りや佐渡おけさのルーツでもあるという。
昨日テレビでちらっと見た感じでは、ビートの効いた激しい阿波踊り、
てなとこか。楽しみにやってきたのだが、
祭りは14時で終わった後。しくしくしく。

牛深港から船で長島へ。鹿児島県だ。
少し歩くとファミリーの1BOXに拾われる。父ちゃんが20年前に
自転車で旅して人に世話になりまくったそうで、
それで拾ってくれたとのこと。道の駅長島へ。
温泉でまったりし、道の駅の軒下に設営。いい星空だ。


熊本県データ
所要日数:6日(4/18〜4/23)
通過市町村:1市3町
(苓北,天草,河浦,牛深)
距離:30km+車34km+船
温泉:2湯(苓北,河浦)(通算103湯)
歩行国道:追加2本(266,389)(通算120本)

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