たにぐうです。やっと鹿児島。


4/24 (月) 

長島町→川内市 晴 31km+鉄道12km

5時起。もう明るい。行程長いので7時出。
この島は海岸からゆるやかな斜面で、そこに赤土の段々畑。
ジャガイモ作っており収穫している。夜中にカゴを満載した
トラックが結構走っていたのは、これだったのね。

ここの海は濃い青だ。黒之瀬戸の橋を渡って阿久根市へ。
この海峡も流れが速い。スーパーで買い物、梅干しが
切れていて欲しい所だが、なんとなく買わずじまい。
レジのおばちゃんやらお巡りさんやら、
今日もいろんな人に話しかけられる。

今夜は川内高城温泉の自炊宿を確保している。
このまま行っても19時には着けるが、久々湯治場で
ゆっくりしたいので鉄道で薩摩大川までわーぷ。
わーぷしたはいいが、道の駅阿久根でだらだらしていたら1時間たっていた。

だらけるのは温泉でだ、と国道3号を南下。
幹線で交通量多い。西方から温泉へ向け山に入る。
峠を一つ越えると静かな田舎。狭い谷沿いに進むと、
小さな旅館街が現れた。今も自炊宿が主流らしく、
派手さはない。狭い道の両側に宿と店が並ぶ。
めざす双葉屋は木造の年季入った建物だ。

玄関入るといきなりおばちゃん達に囲まれる。
いつものことだが、おばちゃんにはモテる(^^;;。

と、宿のばあちゃんが戻ってきて部屋へあがる。
お茶を入れてもらい一服。にこ。
今度は三重県出身というおばちゃんがやってきて長話。
宿のばあちゃんとは親戚で、法事のため川内に来ているそうな。
話ついでに1階の居間におじゃましお茶タイム。
三重のおばちゃんは、「今度遊びにおいで」、と住所と名前を教えてくれる。

ばあちゃんに炊飯器を借りて仕掛け、隣の店で買い物。
タケノコもらい歓談。にこ。さ、ようやく風呂だー。

温泉は硫黄臭のするつるつるの湯。これはよい。
つるつる度高し。今時期が湯温ちょうどいいのだそうな。
続いてメシ。もやしのみそ汁に、たけのこと豆腐を酢みそ&醤油で食す。
うま〜い。ぜいたくなばんめしだあ〜。

ばあちゃんはアジの干物や梅干し(!)なども持ってきてくれる。
ごちそうさま。20時を過ぎると湯治のじいさんばあさんは
もう寝る時間らしい。静かに片付けまた温泉。
ふー、まったり就寝。


4/25 (火)

 川内市→日吉町 晴/雨 26km+車16km

朝風呂は当然。7時から炊事場は賑わう。
甑島から来たというばあちゃん達と、しゃべくりながらメシの支度。
宿のばあちゃんがみそ汁と大根漬を出してくれる。
ごち。おにぎりも作る。

8時、宿の主人がお客を迎えに川内の町まで出るので、
それに便乗。ボロボロなバット傘を見たばあちゃんが、
傘を交換してくれる。いろいろ親切にありがとう。また来るゾ。

川内市のはずれでご主人と別れ徒ほほ。調子よく爆走。
市来で国道270号へ。海沿いに出た所で、
行く手に吹上浜が弓なりに見える。しかし、雲行き怪し。
海岸の崖は白色で侵食されてる。シラス台地ってやつね。

やがて道は海から離れ、原野な丘のアップダウン。
原野か畑しかない。雨パラパラ。

18時、日吉町で標識に従い、海岸の天神ヶ尾キャンプ場へ。
開設期間は夏季のみだが水WC使えるし、
炊事棟は屋根しっかりで雨でも大丈夫。ここ占領。


4/26 (水) 

日吉町→加世田市 雨/曇り 21km+車3km

土砂降りの雨の中出発するが、吹上町に入ると霧雨に。
やれやれ。丘と原野と畑の国道を登り下り進む。

昼すぎ、金峰町のつぶれたコンビニ前で座り込んで
休んでいると、私服姿の駐在さんがやってきた。
「加世田はのんびりしてるから、悪いのはいないよ。野宿する
なら温泉の前にいい公園があるから、そこですればいいよ」

お巡りさんに寝床を教えられるとは、ちとびっくり。なかなか親切である。

加世田市街に入り、やすけ鮨へ向かう。
僕は松本にいる時、寿司屋で5年以上バイトしていたのだが、
そこの大将から「加世田で後輩が寿司屋やってるから、
行くなら寿司食わせるように言っておくよ」、と、
やすけ鮨を紹介してもらってるのである。

開店前のやすけ鮨へ。お腹の大きな大将と奥さんに迎えられる。
大将は、力寿司の大将とは17歳の時からの付き合いだそうな。
巨大ザックに驚かれつつ、まずは生ビールと地ウニをいただく。
地ウニはこないだ食ったハゲ肝に似た味で、
北海道のウニとはひと味ちがう。そしてすし!!(喜喜)。
なかでも「おどり」は格別。水槽にいる車えびを網ですくってさばく。
にぎりになってもしっぽが動いてるぞ。頭は塩焼きにされ、
これがやわらかい。生ビールから焼酎へ。
これがまた香り高い。俺の最も好きな焼酎「島美人」に似てるなあ、
と思ったら、そのものだ。にこ。すっかりめ〜て〜。
ああしあわせだ。しばらくふりかけごはんで十分さ。

お土産に島美人を1本いただき、大将に温泉まで送って
もらう。ごちそうさまでした。

めーてー中なので、公園の東屋で爆睡。寒くて起きると19時。
頭くらくらながら前の温泉でさっぱり。東屋に戻ってテントを張っていると、
「お、今日はここにいたんか!!」と、おじさんがやってくる。
???。おじさんは仕事で毎日阿久根まで行ってるそうで、
ここ3日毎日俺を目撃していたそうな。しばし歓談後就寝。


4/27 (木)

 加世田市→指宿市 晴 32km+車28km

この公園一帯は元特攻基地。知覧のが有名だが、
ここも大きかったらしい。日本は南西に行くほど戦争の跡が濃いらしい。

加世田市街を抜けると県道は1.5車線のアップダウン。
地図では平地に見えるが実際は台地。いよいよシラス台地の国だ。
原野と茶畑とたばこ畑が目につく。さつまいもばっかり
作ってるわけじゃないらしい。国道225号を横断するといよいよ山深し。
シラス台地は侵食されやすいらしく谷も深い。登り下り。

知覧町に入ると台地がひらけ、行く手に見えるは開聞岳だー。
うおー、「山」てかんじのする山はひさびさだー。
うーん、登りたいぞお。作戦たてる。
結果、今日中にわーぷで指宿入りし連泊して
明日を登山にすることに決定。遊ぶの優先(^^;。

頴娃からバスワープ。運転手とおしゃべりして、
開聞岳やうまい店情報をもらう。

19時指宿。自炊宿のきよみ屋は民家みたいな建物。
ばあちゃんが1人でやっている。シーズンオフか泊まり客は僕1人。
温泉街も静かなもんだ。ばあちゃんがラーメンつくってくれたので、
それとお茶菓子で満腹〜。風呂は近所の共同湯へ行く。
元湯はきれいな木造でよい雰囲気。
ふとんにごろーん。明日は登山だー。


4/28 (金) 

指宿市←→開聞町 晴 27km+車12km

おにぎり作り、魔法瓶にお茶を入れて準備万端。
軽量化したザックしょってバスで出撃。
開聞岳登山口に10時前に到着。見上げる開聞岳ははるか高い。
坂きつそうだなあ。

登山道は山をぐるりと1周するように登り山頂へ至る。
前半は密林の中。汗だく。1時間で5合目。
7合目辺りから登山道は岩ごつごつ。
開聞岳は成層火山+熔岩円頂丘の火山。この辺からが円頂丘部分だな。
木も低木が増えてきた。後ろから遠足の中学生が
次々とぶち抜いていく。若いねえ、おじさんにはそこまで馬力無いよ(爆)。

9合目、展望ひらける。足元に町や畑や海。
山の上に行くほど斜面が急なせいか、高度感ありすぎ。
ありすぎて、ぴょん、と麓へ飛び降りられそうだ(やったら死ぬだろうが)。

岩場をはいあがり、2時間かからず山頂へ。岩ごつごつ。
池田湖や桜島、佐多岬が見えるがかすんで視界はいまいち。
中学生軍団に混じっておにぎりにパクつく。

しあわせなひととき。山頂は風当たりがよく寒いので、
12時半下山開始。2合目から直接温泉に向かうべく
違う道を下ると、薮こぎのひでえ道。
戻るに戻れず強攻すると馬牧場に飛び出す。ふう。

人間がガス欠なので、川尻の商店でパンなぞ買い、
バス停横に座り込んで食う。と、JRバスがやってきた。
ん?運転手がこちらに手を振ってるぞ。
あ、昨日の運転手さんだ。クラクション鳴らして走り去るバスに手を振る。にこ。

さ、登山の後は温泉だ。川尻温泉は単純泉と強食塩泉の
2つの源泉を持ち、1粒で2度おいしい。まったり。
さらに2kmほど進むと「開聞温泉」の看板。吸い込まれる(^^;。
こちらは地元の共同浴場。浸かった感じ濃いめの湯。満足。

あがって外で涼みつつばあちゃんと歓談。
「次は彼女連れてきなさい」と言われる(^^;;。
鹿児島を1人で旅してると、なぜか必ず言われる一言だ(汗)。

帰りは指宿までばりばり歩き、19時宿に帰還。
宿のばあちゃんがオムレツにサラダになますを作ってくれる。
わーい、ごちそうさまー。ネギとカシワの味噌漬けを
持っていく用にもらう。にこ。ふとんに沈。

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