たにぐうです。お遍路は進む。土地の人たちは親切だし、 徒ほほな旅人いっぱいだし、野宿はやり放題(爆)だし。 北海道以来だね、こんなの。関東や東海道の頃とは雲泥の差だ。 これこそご利益だね。お大師さまさまだ。 弘法大師のおかげで、僕は楽しく旅ができるのだ。 2/18 (金) 徳島県宍喰町→高知県室戸市尾崎 晴 26km 米とラーメンを頂き、道の駅まで送ってもらう。 おかもとさん(おじさんのこと)、ほんまにありがとう。 また会えたらいいな。 すぐに高知県だ。甲浦港は水がきれい。 港なのに底の方まで透きとおってる。白浜の浜で一服。ここもいい。 夏に来たい所だ。この辺がポンカンの産地らしく、直売多い。 昼前、東洋町野根。 番外(八十八には入らない寺)明徳寺は家1軒分ほどの敷地に、 民家風のお堂。住職の手作りか、境内に玉砂利をきれいに敷いてあり、 こざっぱりしていてよい。がたいの良い 住職さんにお茶を頂き、しばしのんびり。 ここからは海岸沿いで、民家も少ない。 行く手に室戸岬までの海岸がえんえんと見えている。 12時半、本日最大の目的地、「ゴロゴロ」到着。 道な人には有名な場所。国道標識(おにぎり型のやつ)の下に 補助標識が付いていて「東洋町ゴロゴロ」と書かれているのだ。 標識の下でごろごろし、くだらん写真を量産(爆)。 ゴロゴロの由来は、波が石の浜に打ち寄せる音からだそうな。 3日休んでいるのでスピードは出ない。 先は見えているのに、見た目よりは進んでいかない。 黒潮の海を眺めてゆっくり前進。ウグイス初鳴き。おー、春だぜよ。 18時、尾崎海岸で行動打ち切り。月が出て、 浜は気持ちよさげだが、吹きっさらしは寒いので トイレの陰に設営。ラーメン食って就寝。 2/19 (土) 室戸市尾崎→同市吉良川 曇り/雨 29km 予報は雨なので、降る前に距離を稼ぐ。 2時間8km稼いだ所で降りだした。雨の中チャリダーが走り去る。 お遍路やってるんやろか。そういや宍喰の前ぐらいから、 ツーリングのバイクをちょくちょく見てる。 岬の手前、弘法大師修行の洞窟「みくろど」へ。 空海の号はこの洞窟から見た海と空から付けたそうな。 月夜の晩なんかに一度野宿してみたいぞ。 山道を700m登ると二十四番最御崎寺(ほつみさきじ)。 おまいりして納経所兼宿坊のロビーで一息。 気温が上がらず雨風きつい。傘の骨3本目折れる。ぎええ。 風雨で傘はいよいよ役立たず。こういう時に限って 雨宿りする所もない。いらいらいらいら。 でも文句言う所も八つ当たりする所もないので黙歩。 二十五番津照寺は港の丘の上。名の通り、船の守り仏だ。 きつい階段の途中に鐘楼が建っており、 上から見るとおもろい絵になるが、雨降りで写真はあきらめる。 猛然と歩き、台地の上の二十六番金剛頂寺へ。 本堂でかく、奈良京都風の造りだ。境内広く見所多そうだが もう17時前。時間切れと疲労で退却だ。 午後に寺が続くと余裕が無くていかん。 道の駅にたどりつき、東屋に設営。 風雨激しく屋根も効果なし。 こういう天気の日は消耗激し。さっさと寝る。 2/20 (日) 室戸市吉良川→安田町 晴 20km 雨吹き込み激しくテントびしょぬれ。 ゆっくり片付け傘も直してから出発。 二十七番はぎりぎりなので明日にしよう。 タイムリミットがないと、心に余裕があってよい。 お遍路で寺を回るのに精を出すと、忙しくていけない。 でも、歩いているお遍路で、道草している人は少ない。 そんなに急いで行くんなら、わざわざ歩く必要はないんでは? 国道をちんたら歩いていくと、前方にこっちを見て ニヤつくおじさん有り。あ〜、おかもとさんだあ〜。 日曜で、こっちの方へドライブに来たらしい。 「荷物が歩いとんね」、とまたも言われる。 しばし休んで互いに先へ。 羽根岬で1時間昼寝。 ふわ〜。前から過積載徒歩お遍路がやってくる。 30歳ぐらいの兄さんは、商売道具(たぶん仏具か)に、 ウエストポーチまで入れて50kgだと。 上には上なんだってば。35kgなんてちょろいものなんですわ。 兄さんは逆うちなので、昨日は徒歩に7人、 今日はバイクと自転車のお遍路に会ったそうな。 一瞬南の湿った風が吹く。毎日春は近付いてくる。 15時に田野町の公園。日記書いてここでメシ。 18時まで時間をつぶし、安田町のバス停へ。 でかいし、トイレあるし、敷くための段ボールまである。 終バスを見送り、そばのスーパーで半額惣菜を確保。 ベンチに段ボール敷いてマットを敷き、 寝袋出してもぐりこむ。おやすみ。 2/21 (月) 安田町→香我美町 晴 36km バス停なので早起きして6時半には出発。 二十七番は標高400mの山の中腹。4kmの登りは、 へんろ道も車道もきつい。1時間半かかって神峯寺到着。 急斜面に建つ山寺だ。上には神峯神社。もとは合祀だったそうな。 明治の廃仏毀釈では、廃寺されているらしい。 八十八ヵ所も無傷ではなかったようだ。さらに登ると腰掛け岩。 弘法大師が腰掛けて思案した場所だそうな。急な山なので足元に海。 納経所へ行くと、おかみさん、 「ゆうべはどこで野宿したの?朝ごはん 食べた?用意したげるから縁側へどうぞ」 縁側から眺める庭がなかなか良い。 急斜面に植木と岩を配し、それに杉の大木と参道の石段が アクセントになっている。と、出てきた朝ごはんに感動。 ごはんにみそ汁、玉子焼きに漬け物。うきょー、すげえ。 うまあい。ごちそうさまです。漬け物のしゃくし菜 は新しい味だ。黄色い白菜みたいだが、味は野沢菜に近いか? みかんとお茶もいただきすっかりまったり。 もう一度おまいりして、お礼を言って出発。今度は寺の 絵ハガキをいただく。いやー、たいへんお世話になりました。 下山後は国道を快調に飛ばす。暑いぐらいだ。 安芸市を過ぎるとサイクリングロードへ。車が来ないのは快適だ。 日没後も距離を稼ぐ。夜須町にて、国道沿いに 自然歩道の東屋とトイレ有り。お、しめたぞ。しかし、 トイレに変な奴がいる。俺がノックしたので一度は 出ていくが、しばらくすると戻ってきて大便の方に再び閉じこもる。 あやし〜ぞお〜。国道沿いだから、ここに張っても手は 出せんだろうがなんかやだ。 思案の末、目をつけていたキャンプ場を目指す。 月見山のキャンプ場は町の裏山の中腹。小じんまりだが 芝生できれい。う〜ん、落ち着くなあ。 もやしラーメン食ってまったり。23時就寝。