たにぐうです。
お遍路やると、行きたくなくても
四国の端っこ(室戸や足摺)まで行かされます。
足摺、遠すぎ。
山道なんかより、よっぽどきつかった。


3月1日(水)
 
中村市→土佐清水市港 晴 28km


雰囲気いいのでゆっくり起動。
街へ戻ってコインランドリーへ。


靴の中敷きがボロボロなのと、 手洗いの限界で靴下はかなり汚染されてる。
足指の裏にあかぎれが出来だしたし。
洗濯機でも汚れは落ちずもう交換だ。


11時出。四万十川沿いに海の方へ。


対岸に満開の菜の花畑。 信州では5月だよな、菜の花って。
無人販売でポンカン20個200円ゲット。うまいが重い。



さらに進んで道ばたでばあちゃんと話し、
昆布巻き(鮨)、文旦、ジュースもらう。
昆布巻きは高知の郷土料理らしく、シャリに魚の身と ゆずと塩が使ってあり美味。 この味ははまる。



スタートが遅かったので日没。
適当な野営地もないので
19時半、バス停の小屋に設営して就寝。


3月2日 (木)
 土佐清水市港→同市鹿島公園(足摺岬往復) 晴 38km

バス停なので6時前には出。まだ暗い。

土佐清水の市街へ入り、ほか弁で弁当買って、 港の公園で食う。この公園が今夜の宿だな。

まだ8時で食糧品店が一つも開いてない。
う〜ん。 昼めし確保はこの先きつそうだなぁ。
でも開店待ってる暇はないので、 手持ちのみかんとりんごで我慢するか。

海岸の狭い県道をゆく。
植生はすっかり亜熱帯だ。しかも暑い。
タンクトップになって歩く。

松尾の集落に商店あり。 よかったー。パン確保。

どんどん歩いて13時。
三十八番金剛福寺は亜熱帯の木々に覆われた寺だ。
しかし、観光地なのでどうも落ち着かない。
納経所のじいさんも何だかやる気なさげ。
足摺岬は4年前来た時丁寧に探索
しているので、 今回は簡単に見てまわる。
海岸へ続く森の中に大師由来の奇岩怪石がいくつかある。
崖下に広がる海は蒼い黒潮だー。

市街地のスーパーが19時半までなので、それまでに戻らねば。
明日あさってと食糧確保が難しいからな。

途中、おばちゃんに黒砂糖もらい、 無人市できゅうりの漬け物ゲット。にこ。

ぶっとばしたおかげで18時半に朝の公園に戻る。
テントを張ろうとすると、あれ、向こうにもテントを張っている人がいるぞ。

「ん?あー!!また会うたねー」

なーんと、徳島のたにぐうさんである。
いやはや、もう4回目だ。
並んでテントを張り、スーパーで買ったつまみでビール。
のろまな野宿同士、のんびり語って夜は更ける。

3月3日 (金)

 土佐清水市鹿島公園→同市市野瀬 晴/曇り 14km

テントやシュラフを干して、ゆっくりと10時出。
徳島たにぐうさんは足摺岬へ。また会えそうだな。

昨日来た道を戻っていく。

市街を出ると、荷物を積んだ二輪のカートを
ひいたおじさんがやってきた。 なんとこれでお遍路回ってるそうな。
車道しか走れないが意外と楽らしい。
いろんな手段があるもんだ。

その先、今度はバックパッカーがやって来た。
むむ、あの顔は36番で絵を描いていた人だ。 その時はタイミングが合わず話はしなかったが、今日は差し。
向こうも、見覚えのある奴が来た、って顔しとる。

道端に座り込み話し込む。お互いにクセのありそうな 相手だと思っていたのだが、そこは同じ徒歩野宿。

「みんな歩けないんじゃなくて、歩かないだけなんだよね」

と、すっかり意気投合。 お互いの装備の話や山の話などで盛り上がる。
「あんたみたいな過積載は見たことない。でも、工夫はいろいろあるよ。」
と、無洗米が実は安いとか、切り干し大根が軽くて簡単とか、
生活の知恵をいただく。なるほど。
彼が描いた絵も見せてもらう。
88ヵ所の寺を絵に描きながらまわっているのだが、
気に入ったのが描けないと、戻って描くこともあるという。
僕は寺に行くと、この寺はどこで見るのが
一番この寺らしいか、をいつも考えてうろうろするのだが、
この絵もそんな風に描かれているような気がした。
クレヨンで描かれているのも味がある。
近くのバス停へ移動し、メシ作って食いながらさらに話し込む。
と、昨日土佐清水で擦れ違った歩き遍路の金沢の青年が通りかかる。
話し出してもう3時間以上。さすがにそろそろ動かないかん。
「俺望月。またどこかで」。

スロー同士だから、またどこかで会えそうだ。 しかし、44歳には見えない。歩く人はみんな若い。

足摺へ向かう望月さんと別れ、金沢の青年といっしょに北上。
彼は学生で、野宿しながらの旅は今回が初らしい。
話ながら進むのでどんどん進む。
途中スーパーで買い物。赤目(メバルの一種?) ゲット。
ドライブイン横の東屋で青年と別れ、僕はここで設営。

魚をさばいて素焼きにする。さばくだけでかなり満足。 醤油たらして食う。うまあい。ごち。明日は雨らしい。


3月4日(土)
 
土佐清水市市野瀬→宿毛市 雨 35km


東屋に雨吹き込みテントはびしょ濡れ。
丸めてごみ袋にぶちこみ、それからパッキング。

土佐清水市でもう3泊している。足摺往復は遠い。 これぞ修行の道場高知県だ。

三原村へは山道田舎道の狭い県道。
ふと、むこうの畑に1本だけ花満開の木あり。
およ?ありゃあ梅じゃねえなあ、、ええ?桜やんけー! さらにその先の田んぼでは水をはってしろかきをしている・・・。

どちらも4月に松本を出てからしばらく見られた光景だ。
旅のくらしや、数字の上で1年たったのは何とも思わんが、 この2つはショックだ。視覚にばっちり訴えてきた。
ああ、僕がちんたら歩いている間に、季節は一巡りしてきたのか・・・。

雨は強くなり弱くなり降り続く。 山間の道を抜け宿毛市に入り、国道のスーパーに16時。
雨でペースはあがらない。

17時10分前にようやく三十九番延光寺。
農村集落の奥にあっておちついた雰囲気。
しかし雨では落ち着いてもいられない(悲)。
西から黒雲湧きおこり、あっという間に土砂降りだ。ぎえええ。

宿毛の市街まで8kmあまり。

日没。ずぶぬれ。
靴も浸水。余裕などない。

ぐぬぬぬぬ。

市街地のコンビニでようやく一息。
もう20時近く、自炊あきらめ弁当食う。

道の駅まではさらに2km。

早く着いてくれええぇぇ・・・


21時やぁっとたどり着く。
さて、どこにテント張ろうか、と思っていると、
1軒だけ開いている店のおじさんがやってきた。

「ここで野宿するんでしょ。ここ使いな」
と、 屋根付きの廊下に手早くベンチを並べ、
ビニールシートで風よけを作ってくれる。
あっという間に寝床が完成。
うわーい、ありがとう。
暖かいので寝袋だけでいけそうだ。吹き込みもなくこいつは快適。
さらに、 「兄さん、残りもんやけど」
と、たこ焼きいただく。ごち!

ああ、もう体は動かない。21時半、ズブズブ沈没。

3月5日 (日)

 
宿毛市→愛媛県一本松町 曇り 14km

体とてもだるい。

昨年冬と春に歩いてお遍路した
という練馬の服部さん(40歳前ぐらいか)と長話。 やはり野宿で行く人とは話が合う。

この道の駅はお遍路に限らず野宿する人が多いらしい。
この兄さんもおじさんの世話になったので、
今回(お遍路ではない)も立ち寄ったのだとか。
10時になり服部さん出発し、ちょうどやってきた
おじさんに礼を言って僕も出発。
町外れからへんろ道の松尾峠を越える。
直登でだるい体にはなかなかきつい。

峠のてっぺんに山男風のおじさんあり。
その先の東屋は、おじさんのねぐらと化していた。
マキまで積んである。
この人もお遍路の一種なのか??

ここから愛媛県突入。 町まで下ると四国のみち(四国自然歩道)の休憩所があり 東屋もある。
14時だが、もうだるい。やる気もない。

あー、調子悪い。やめたやめた。今日はここまでじゃ。
20分ほど歩いて温泉へ。向こうの丘の上の工場見覚えあるなあ。
トラック運ちゃん時代、松本からここまで来る便があって、
3日がかりで来たもんだ。そこになぜか歩いてきてるなあ(^^;;
温泉でふやけきった後、買い物して東屋に戻る。
豆腐と川海苔のみそ汁作る。うまし。
足摺の疲れ噴出だ。 さっさと沈む。


高知県データ
所要日数:17日(2/18〜3/5)

通過市町村:9市13町2村
(東洋,室戸,奈半利,田野,安田,安芸,芸西,夜須,
香我美,赤岡,野市,土佐山田,南国,高知,春野,土佐, 須崎,中土佐,窪川,大正,中村,土佐清水,三原,宿毛)

距離:439km
温泉:2湯(一の又渓谷,安並)
歩行国道:追加4本(56,321,381,439)(通算88本)

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